こんにちは、税理士の山下です。今回は改正とは別に、公益法人関連で対応したお話です。
ある施設の管理を公益目的事業とする公益法人。その施設に自動販売機を設置しています。移行認定前から私は「公益目的事業に付随するものとして、収益事業にしなくても良いのでは?」とお話していたのですが、「県から収益事業にするように指導されています。」とのことで結局、収益事業として移行認定を受けました。
それから数年。いろいろな事情で「このまま収益事業にしておくのは、公益法人として不利益では?」と強く感じ、事務局長に「自販機設置は公益目的事業に付随するものとして、変更認定申請(収益事業の廃止)を県と協議してください。」と依頼しました。根拠としては①利益が計上されるからといって、必ずしも収益事業にしなければならないという法的根拠はない。②自販機は公益目的事業である施設管理の、施設利用者に利用してもらうためのものであり公益目的事業に付随するものに過ぎない。③金額的にも規模的にも独立した事業とは考えられない。の3点です、(その後、もっと強力な論点を思いつきましたが、特定を防ぐため省略します。)
実際に県に問い合わせていただいたところ「利益が発生しているので収益事業になるとの返答でした。」とのこと。そうじゃない。①~③の説明はしてくれましたか?と再度依頼しても、返事は同様。
埒が明かない、そう考えて自分で直接、県に連絡しました。①~③を説明すると「検討しますので、お時間をください。」と返答。そして暫くして「利益が発生しますので~」との回答。そうじゃない、と改めて①~③を説いても「でも利益が必ず発生するのですよね?」との反論。ただ①の通り、利益が発生すること自体が公益事業の付随するものか否かとは無関係(もちろん収支相償とは別問題として)。それを説明すると再度「検討しますのでお時間を~」と。これを数回、繰り返しました。
「これは、この人と話していても埒が明かない」と判断し、「お願いですから、内閣府と県の審議会委員に確認してください。私の①~③の根拠をそのまま伝えてもらって、それでも収益事業になるのなら、①~③が収益事業に該当しない根拠とならない理由も回答していただくようお願いします。」と依頼しました。
それから数か月後、「このケースだと収益事業ではなく公益目的事業に付随するものだと考えられますので、変更認定申請を提出してください。」とあっさりした連絡がありました。
おそらく似たようなケースは日本中に多くあるのだと思います。こちらの主張をしっかり説明して、納得できない点は有耶無耶にせず確認することが重要、という案件でした。香川県内や近隣県で、県(行政)との交渉でお困りの公益法人様がいらっしゃれば、お気軽にご相談ください。