税務・会計: 2010年9月アーカイブ

慰安旅行

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岩村事務所の有塚です。

いつも遊びネタが多いので、たまには仕事ネタ。

 

数か月前の話ですが、私が担当するお客様から慰安旅行について

ご相談がありました。

 

従業員さん等、旅行の参加者が受ける経済的利益について課税

されないための要件は、所得税基本通達36ー30とそれに関する

法令解釈通達に書かれています。

その内容とは、社会通念上一般的に行われている旅行であること

不参加者に対して現金等を支給しないこと旅行期間が4泊5日以内

(機中泊除く)であること旅行の参加者が全体の人数の50%以上で

あることなどです。

こういった内容を説明させていただき、最後に「会社が負担する金額は、

10万円程度までにして下さい。」と付け加えました。

 

この10万円という金額は、実務上採られている基準であり、法令にも

通達にも書かれていません。

では、なんで10万円なんでしょう?

調べてみると、岐阜地裁の平成14年4月11日判決の中に、それらしい

判示事項がありました。

でも、私が岩村会計に入った頃(平成8年)に

すでに10万円程度という基準はあったようにも思います。

税務署内の事務連絡にも10万円基準はあるようです。

 

そういえば私がまだ新米職員だった頃、担当のお客様と、こんなやりとりが

ありました。

お客様 「10万円程度って、いくらまでいいんですか?103,000円はいいですか?」

私   「いいと思います。」

お客様 「じゃあ、105,000円は?」

私   「いいんじゃないですか?」

お客様 「じゃあ、108,000円は?」

私   「いいのかなぁ。」

お客様 「110,000円は?」

私   「・・・」

まるでバナナのたたき売りのようなやりとりでした・・・。

 

「10万円程度」とか「社会通念上一般的に行われている」とか、

本当に曖昧な表現ですね。

結局、課税されない慰安旅行とは、金額のみならず旅行内容や頻度で

判断しますので、1泊10万円もする高級旅館への1泊2日旅行は、社会通念上

一般的といえるか疑問ですし、10万円を少し超えたとしても普通の3泊4日温泉旅行

なら問題ないのではないでしょうか。

 

「慰安旅行なんて行きたい所へ行けるとは限らないし、行きたくなくても仕方なく

行く人もいるし、仕事の一環のような感じもあるから少額なら課税しなくても

いいんじゃない?」というのが趣旨なんでしょうね。

 

ちなみに、国税庁のホームページのタックスアンサーの中に課税される事例、

されない事例が3つほど載っていますので、興味のある方はご覧ください。

 

しかし、この不景気なご時世、慰安旅行を実施できること自体、すごいことです。

慰安旅行の相談で悩まされるようになっても、早く景気が良くなってほしいものです。

 

 

 

 

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