経済・金融: 2014年1月アーカイブ

金融機関と政策パッケージ

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こんにちは、税理士山下です。

昨日、某銀行の某支店を訪問しました。

 

中小企業庁の「経営改善計画支援事業」を利用して、

お客様の経営改善計画の策定をし、銀行の支援を受けるためです。

話は順調に進み、今後の方針が決まりました。

 

この事業の前提として、

中小企業庁の「政策パッケージ」があります。

http://www.fsa.go.jp/news/23/ginkou/20120420-2/01.pdf

金融機関がコンサルティング機能を発揮し、

中小企業を支援する、という国策です。

 

しかしながら、現実には色々と問題があります。

まず金融機関にコンサルティングができるのか?

また支援と言えば、

DES、DDS、債務免除、金利の減免などありますが、

これらもなかなか難しいと思います。

 

実際問題、DDSなんて金融庁が「積極的な利用を!」って音頭を取っても、

地方では全然、活用されてないでしょうし。

 

今回の訪問。

お話した担当者のかたが、なかなかの好青年。

ざっくばらんに話してくれました。

 

その中でひとつ、興味深い発言がありました。

取引先への支援に関し、金融庁か中小企業庁か分かりませんが、

要はお国のお役人から、

「国策パッケージに背く気ですか?」

って言われたそうです。

 

国策パッケージって言うのは、恐らく政策パッケージのことでしょう。

認定支援機関は、この政策パッケージを担う一員として、

中小企業の支援を行うものとして発足していますが、

実際のところ、なかなか進んでいないのが現状です。

 

お国のお役人が、金融機関に対して、

このような姿勢で臨んでくれれば、もっと制度の活用が増えるかもしれません。

今後に期待です。

 

 

                                        おしまい。

 

 

 

 

 

抵当権と根抵当権の違い

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こんにちは、税理士山下です。

先日、お客様である医療法人の理事会に呼ばれ、

抵当権と根抵当権の違いを中心に、銀行取引のお話をしました。

 

法人が銀行から融資を受ける場合、

所有する不動産があれば、根抵当権を設定することが多いと思います。

 

また個人が住宅ローンを受ける場合、

購入する不動産に、抵当権(普通抵当権)を設定します。

 

両者の違い等について、教えてほしいとのことでした。

本来は司法書士の先生が説明した方が良い内容ですが、

銀行取引と絡めての説明が欲しいとのことで、私が呼ばれました。

 

知っている方も多いと思いますが、念のため。

色々と違いはあるでしょうが、

知っておくべき大きなポイントは2つです。

 

ひとつは対象となる債権。

(普通)抵当権は、特定の債務のみを担保します。

一方で根抵当権は、一定額(極度額)を担保します。

 

同一の銀行で、反復して借入・返済を繰り返すとします。

抵当権は、新たな融資のたびに、登記をしなければなりません。

(信用での融資、は別の話として・・・。)

一方で、根抵当権は極度額までは何度も反復利用が可能です。

 

もうひとつは、順位です。

抵当権は、特定の債権のみを担保します。

第一順位に設定しても、その債権を回収していまえば効力を失います。

自動的に第二順位が第一順位に繰り上がるので、

(登記上は手続きをしないと残ってますが、効力はありません)

銀行から見れば、新たに融資する際に後順位になってしまいます。

 

一方で根抵当権は、極度内であれば実際の借入残がゼロでも、

順位は、そのまま保持されます。

(上の抵当権や根抵当権が無くなれば、実質、上に上がります。)

 

あと質問された内容としては、

根抵当権は、抹消手続きをしない限り効力は残ります。

仮に残高がゼロになっても、消えません。

効力自体は、残ります。

 

抵当権は、債務がなくなれば効力を失います。

登記上残っていても、実質的に効力はありません。

ただ、不動産を売却するとき等には問題になることがあります。

「実質的に無効」であっても、それを証明するのが難しいためです。

ですから、抹消しておくのが一番です。

 

今現在、特に必要ないと思っていても、いざと言う時に、

相続とか会社の合併、または銀行の合併などで権利関係がややこしくなり、

高いお金を払って専門家に頼まざるを得なくなるかもしれません。

 

だいたい、こんなお話をさせていただきました。

また先週の土曜日には、岩村所長がお客様を訪問して、

4月1日で税率が引き上げられる消費税の注意点等について、

説明に伺っています。

御要望があれば、岩村所長や私以外でも、

役員会・営業所等々で、お話をさせていただくことは可能ですので、

お気軽に声をかけてください。

 

 

                                   おしまい。

 

 

 

 

診療報酬改定と消費税増税

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こんにちは、税理士山下です。

昨日の日経新聞で、消費増税時の初診料上げを採り上げています。

 

まだ議論の段階ですが、

医科で4.4%上げ(120円)、歯科で7.3%上げ(160円)で検討しているようです。

 

全体で0.1%のプラス改定のはずなのに、

どうやって初診料分を増やすの?って思ったんですが、

全体のプラス0.1%は、消費税分を補填したのちの改定率です。

下記の記事が、分かりやすいです。

http://www.pt-ot-st.net/index.php/topics/detail/377/3

 

ただ、これを見ても、本体で0.1%プラス?全体で0.1%プラス?

って混乱したので、改めて整理。

 

まず消費税分を補填する前の改定率は、

本体    プラス0.1%

薬価等 マイナス1.36%

となります。よって全体ではマイナス1.26%の改定です。

 

で、消費税分の補填が全体でプラス1.36%となります。

要は薬価等のマイナス分を、そのまま消費税補填分にしてます。

で内訳ですが、

本体への補填    プラス0.63%

薬価等への補填 マイナス0.73%

となります。

 

その結果、消費税分を補填したのちに改定率は、

本体     プラス0.73%

薬価等  マイナス0.63%

となり、全体でプラス0.1%となるわけです。

これで納得。

 

内訳は、まだ議論の途中です。

決定ではありません。

今後も、注視したいと思います。

 

しかし、これって医療機関が抱える損税問題の根本的解決には、

全くならないでしょうね。

やはり診療報酬側でなく、仕入税額控除の方を考えないと。

でも複数税率とかインボイスは、導入したくないんでしょうね。

 

 

 

                               おしまい。

 

 

 

 

 

 

こんにちは、税理士の山下です。

調剤薬局のお客様を初めて担当してから10年以上経つのですが、

改めて、こんな本を読んでいます。

 

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医薬分業は、ヨーロッパでの王位継承をめぐる毒殺を防ぐために始まったとか、

法的には「調剤薬局」という分類はないとか(法的には薬局と店舗販売業)、

昔から日本では法的には医薬分業だったとか(GHQにより)、

それが医師の圧力で国会において骨抜きにされたとか(医師の自己調剤)、

まだ数ページしか読めてないんですが、なかなか面白い。

 

その中で「薬局業務運営ガイドライン」という、

厚生省薬務局長通知の名称が挙げられました。

さっそく検索して、PDFを出力。1993年のものです。

 

当事務所は医業関係のお客様が多いので、

「病院の敷地に、調剤薬局を作っちゃダメ」とか、

「ドクターの身内が、門前薬局を作るのはマズイ」とか、

知識としては知ってて、当たり前のように話してるんですが、

この辺りが、きちんと整理されてます。

*********************************************************************************

1.薬局は医療機関から経済的、機能的、構造的に独立していなければならない。

2.薬局は医療機関と処方箋の斡旋について約束を取り交わしてはならない。

3.薬局は医療機関に対し処方箋の斡旋の見返りに、方法のいかんを問わず、

  金銭、物品、便益、労務、供応その他経済上の利益の提供を行ってはならない。

4.薬局は医薬品の購入を特定の製造業者、特定の卸売業者又はそれらの

  グループのみに限定する義務をおってはならない。

*********************************************************************************

 

また開設者が薬剤師の場合もあれば、そうでない場合もあります。

ガイドラインでは、

「開設者は、医療の担い手である薬剤師であることが望ましい。」

としています。

 

では薬剤師でない場合は?

となるのですが、この辺りについては、

「薬局業務運営ガイドラインについて」という、

各都道府県衛生主管部長あて厚生省薬務局企画課長通知に詳しくあります。

*********************************************************************************

1.開設者(法人の場合は代表者)は薬剤師であることが望ましいとされたのは...

 (以下、省略)

2.薬剤師でない者から、薬局の開設の許可又は更新の申請が行われた場合には、

 開設者が薬剤師でない理由、将来薬剤師に変更する計画の有無等について資す

 とともに、行政や地域の薬剤師会等が実施する研修会、休日、夜間の受入態勢の

 整備等の地域活動に参加、協力する旨の約束を何らかの形で取り付ける等の指導

 をされたい。

3.開設者が薬剤師でないことのみを理由に薬局解説の許可及び更新をしないことは

 現行法上認められないので留意させたい。

*********************************************************************************

 

あと、薬剤師の人員数に関しても、

きちんとした基準をはじめて知りました。

*********************************************************************************

必要薬剤師数は、次のA及びBにより算定した人数のうち多い方の人数とする。

A:一日に応需する平均処方箋数が40までは1とし、それ以上40又はその端数

 を増すごとに1を加えた数。但し、耳鼻咽喉科及び歯科の処方箋については

 3分の2に換算して算定する。

B:医薬品の販売高の1月平均額が800万円までは1とし、それ以上800万円又は

 その端数を増すごとに1を加えた数。

*********************************************************************************

 

まあ知らなかったとしても実害はないと思うのですが、

やはりお客様のことを深く知るには、知ってて損する事はない。

今後も、いろんな業種について知識を深めたいと思います。

 

 

                                         おしまい。

 

 

 

 

 

歯科医院でポイント還元?

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あけましておめでとうございます。

税理士山下です。

本年も、よろしくお願いいたします。

 

会計事務所の繁忙期に突入しております。

ブログも、釣果報告とか尚子様語録とか溜まってるんですが書けません。

ボチボチ、書いていこうと思います。

 

朝の情報番組でやってましたが、

歯科医院の「ポイント還元」が広まってるそうです。

 

(本日の朝日新聞デジタルより)

http://www.asahi.com/articles/ASFDS4JSSFDSUUPI001.html

歯科医院で治療を受けると、商品券などと交換できるポイントがもらえるしくみが広がっている。

国民の医療費が、治療とは直接関係ない患者集めに使われている可能性がある。

患者にポイントを与えることで実質的な値引き競争につながり、

全国で一律であるはずの医療の価格に差ができ、質の格差も生まれかねない。

厚生労働省も、対策を慎重に検討している。

 

 

単にクレジットカードを使ってのポイント稼ぎなら、

歯科医院では自由診療で、病院では入院で使われてると思いますが、

そうではなく、ローソンの「ポンタ」とかファミマの「Tポイント」みたいなものらしいです。

 

検索してみると、「Tポイント」が思いっきりやってましたね。

http://www.dental-tpoint.com/

デンタルTポイントって言うんだそうです。

 

ただ、まだ地方では普及してないようですね。

使える歯科医院は、四国はゼロ。お向かいの岡山でも、まだゼロのようです。

 

 

厚生労働省が「慎重に検討」しているそうですが、

個人的には単純に「スゲエ」って思いましたね。

なかなかのチャレンジャーぶりです。

 

柔軟な発想をし、実際に行動する。

「見習わなければならない」と思ってしまいます。

香川では昨年末、保険診療の架空請求による保険医療機関指定取り消しが、

2件ありました。

うち、1件は歯科医院でした。

 

報道以上のことは知らないので分からないことですが、

もし本当に「意図的な架空請求」であったなら、哀しいことです。

「貧すれば鈍する」と言いますが、

柔軟、自由、大胆な発想で、現状を打破できるよう、心掛けたいものです。

 

 

かつては日曜や平日夜の診療などが、

業界内で色々と軋轢があったようですが、

最近は、車で走ってるときに看板を見ると、

けっこうな数の歯科診療所が、やってるように思います。

 

もしかしたら、このポイント制も、

数年後には「当たり前」になったりするかもしれませんね。

(逆に法的な規制をされる可能性もありますが。)

 

 

                                      おしまい。

 

1/23追記

デンタルポンタも、あるみたいですね。

どっちも自由診療のみが対象の様です。

 

 

 

 

 

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