こんにちは、税理士の山下です。
先日の松岡君の結婚式で、松岡君のお父さんが、
「最近の若いモンは、ハングリー精神が足らん」的なことを言われました。
これについて、ちょっと思うところがあり、備忘記録です。
言わんとするところは、良く分かります。
「若いモン」には、恐らくは私の世代-バブル世代-も、
当然、含まれると思います。
ハングリー精神が足りない。
だから駄目なんだ。
よく分かります。
世間一般でも、浸透している考えだと思います。
でも、この考えと全く逆の考えも、存在します。
半年ほど前に読んだ本です。
堀江貴文氏の「ゼロ」です。
評判が良かったので読んでみたんですが、
個人的には、全く面白くありませんでした。
(この本に関する、ちきりん氏と堀江氏の対談は、
それなりに面白かったけど)
堀江氏は、現在の仕事に不満を持つ相談者に対して、
「だったら起業すれば良いじゃん」とアドバイスすると、
「堀江さんだから、そんなことが言えるんですよ」と言われることに、
反論しています。
自分は、ごく普通の家庭に育った、ごく普通の人間であると。
(えっと、私の記憶だけで書いてるので、一部違うかも知れません)
なにが言いたいかと言うと、
私たちは一般的に、成功者を評価する場合において、
1.ハングリーである
あるいは、
2.(才能や環境に)恵まれている
の、どちらかを大前提としているように思います。
それも無意識のうちに、既成事実にしてしまっています。
なぜか?
それは極普通の、自分と同じような人間が、
成功者であっては困るから。
ではないでしょうか。
テレビで見る成功者が、自分と同様の才能や環境だとしたら、
俺は一体、今まで何をしていたんだ?
と、自分自身を否定しなくてはならなくなるからではないでしょうか?
そして成功者は、自分のスタート地点を低く言い表します。
堀江氏は、田舎の小学校で「あなたがいるべき場所は、ここではない。」
と言われ都会の学習塾に通った頭脳明晰な人物ですが、
「起業はだれにでもできる」とし、
「できる理由」を考えるか、「できない理由」を考えるかに過ぎない、
と言っています。
決して自分が「優秀だから」とか「頭脳明晰だから」とは言いません。
自分の努力や決断や勇気を、成功の要因とします。
「ハングリー精神」も、同じことだと思います。
俺は、こんなにマイナス地点からのスタートだったんだぞ。
と、これまた自分の努力や決断や勇気を、成功の要因とします。
あれ?
最初の方で、「全く逆の考え方」って書いたけど、
結局は、同じ着地点...?
人の心理って、複雑ですね。
おしまい。