こんにちは、税理士の山下です。
先日、お客様である医療法人の理事会に呼ばれ、
抵当権と根抵当権の違いを中心に、銀行取引のお話をしました。
法人が銀行から融資を受ける場合、
所有する不動産があれば、根抵当権を設定することが多いと思います。
また個人が住宅ローンを受ける場合、
購入する不動産に、抵当権(普通抵当権)を設定します。
両者の違い等について、教えてほしいとのことでした。
本来は司法書士の先生が説明した方が良い内容ですが、
銀行取引と絡めての説明が欲しいとのことで、私が呼ばれました。
知っている方も多いと思いますが、念のため。
色々と違いはあるでしょうが、
知っておくべき大きなポイントは2つです。
ひとつは対象となる債権。
(普通)抵当権は、特定の債務のみを担保します。
一方で根抵当権は、一定額(極度額)を担保します。
同一の銀行で、反復して借入・返済を繰り返すとします。
抵当権は、新たな融資のたびに、登記をしなければなりません。
(信用での融資、は別の話として・・・。)
一方で、根抵当権は極度額までは何度も反復利用が可能です。
もうひとつは、順位です。
抵当権は、特定の債権のみを担保します。
第一順位に設定しても、その債権を回収していまえば効力を失います。
自動的に第二順位が第一順位に繰り上がるので、
(登記上は手続きをしないと残ってますが、効力はありません)
銀行から見れば、新たに融資する際に後順位になってしまいます。
一方で根抵当権は、極度内であれば実際の借入残がゼロでも、
順位は、そのまま保持されます。
(上の抵当権や根抵当権が無くなれば、実質、上に上がります。)
あと質問された内容としては、
根抵当権は、抹消手続きをしない限り効力は残ります。
仮に残高がゼロになっても、消えません。
効力自体は、残ります。
抵当権は、債務がなくなれば効力を失います。
登記上残っていても、実質的に効力はありません。
ただ、不動産を売却するとき等には問題になることがあります。
「実質的に無効」であっても、それを証明するのが難しいためです。
ですから、抹消しておくのが一番です。
今現在、特に必要ないと思っていても、いざと言う時に、
相続とか会社の合併、または銀行の合併などで権利関係がややこしくなり、
高いお金を払って専門家に頼まざるを得なくなるかもしれません。
だいたい、こんなお話をさせていただきました。
また先週の土曜日には、岩村所長がお客様を訪問して、
4月1日で税率が引き上げられる消費税の注意点等について、
説明に伺っています。
御要望があれば、岩村所長や私以外でも、
役員会・営業所等々で、お話をさせていただくことは可能ですので、
お気軽に声をかけてください。
おしまい。