こんにちは、二見事務所の山下です。
3週間ほど前の2月25日、「NPO法改正・税制改正セミナー」に行ってきました。
講師は認定NPO法人の理事であり事務局長でもある実吉威氏。
会計士や税理士などの専門家ではないので、あまり期待せずに行ったのですが、
自身の国税庁への申請経験+コンサルティング活動を盛り込んだトークは、
とても分かりやすく、大いに参考になりました。
web上でも、いろいろと取り上げられてらっしゃいます。
口調がとても穏やかで、聞き取りやすい声をされています。
私は、どちらかというと穏やかとはほど遠い口調で、
かつ甲高い声質なので、本当に羨ましく思いました。
私自身、公益法人に関してはコンサルタントを自称していますが、
NPO法人については、素人です。
基本的な部分から、とても勉強になりました。
まず従来のNPO法人。
任意団体として、発足。
その後、所轄庁の認証を受けることにより、NPO法人として法人格が付与。
その数、約4万4千件。
そしてPST(パブリックサポートテスト)などのハードルをクリアすれば、
国税庁の認定を得て、税制優遇される認定NPO法人になることができる。
その数、2012年2月15日現在で、244件。
認定NPO法人のハードルは、とても高いものと言えます。
この制度が、24年4月より大きく変わります。
認定NPO法人の認定事務が、国税庁ではなく所轄庁になります。
具体的には、都道府県知事または指定都市の長です。
これは改正NO法人法により、これまでは税法で定められていた認定が、
NPO法の範疇になったためです。
また、その内容も変わります。
2011年から既に変更されているものとして、
税額控除の新設や、PSTの絶対値基準の新設があります。
税額控除については、23年分の確定申告でご存知の方も多いと思います。
認定NPO法人のへの寄付が、税額控除の対象となりました。
またPSTについては、従来は「相対値基準」のみでしたが、
新たに「絶対値基準」が設けられました。
従来の相対値基準は、その算定にあたり、
「寄付金等」、「経常収入金額」、「寄附」、「助成金」、「会費」などが、
その範囲の判断や区分が分かりづらいものがありました。
一方で絶対値基準は、
「3千円以上の寄付者が年平均で100人以上」と、とてもシンプルです。
「寄付者」のカウントの仕方に注意が必要ですが、相対値基準より簡単です。
この絶対値基準の新設により、事業型(事業収入が多い団体)は、
認定が得やすくなります。
しかしながら、実吉氏は「絶対値基準の方が有利な法人も多々あるはず」と、
仰っていました。
「相対値基準は、考え方はやや難しいが、理解さえすれば絶対値基準よりも
認定を得やすいケースは多々ある。」とのこと。
具体例を説明してくださいました。
また2012年4月から変わることは、認定事務が所轄庁になること以外では、
「仮認定制度」及び「みなし寄附金制度拡充」があります。
仮認定制度は、設立後5年以内の法人(法施行後3年間は全ての法人)が、
認定の8条件のうちPSTを免除され、1回限り3年間のみ、
「個人の寄附金控除」及び「法人の損金算入拡大」が認められるものです。
認定を得るには寄附を増やすことによりPSTをクリアしなければならない、
しかし認定を得ないと寄付は集まりにくい、というジレンマへの対策です。
またみなし寄付金制度の拡充は、従来「所得の20%まで」であったものを、
「所得の50%または200万円の大きい方まで」みなし寄付金として認めるものです。
注意点として、この制度が適用されるのは新制度において所轄庁の認定を受けた
認定NPO法人のみであって、国税庁の認定では適用不可という点です。
ですから24年3月までの認定と、24年4月以降の認定では異なる制度が適用されます。
当事務所でも、認定をめざすNPO法人様を岩村所長が1件担当しています。
今回のセミナーを切っ掛けに、私も積極的に関与させていただくよう依頼しました。
知識やノウハウを積み重ね、キャリアを形成するには、経験が一番の近道です。
現在、私が公益法人コンサルタントを名乗れるのも、
公益財団法人松平公益会様の移行認定申請があったから。
1件、自分の力で成果を生み出したものが有るのと無いのとでは、
圧倒的な差が生じます。
認定事務が国税庁から県(香川県の場合)になったこと、
仮認定制度が申請されたこと、
これにより、認定NPO法人を目指す法人様も増えるかと思われます。
当事務所も、積極的に支援業務を行いたいと考えています。
是非、ご連絡ください!
お待ちしております!