2011年6月アーカイブ

堀江氏収監に関する疑問

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こんにちは、二見事務所の山下です。

平成23年6月20日、ライブドア元社長の堀江氏が収監されました。

その是非は別として、個人的な疑問をエントリーします。

以下の記載について、詳細な知識があるわけではありません。

間違い、勘違い等あっても、ご容赦戴きたいと思います。

正しい、正しくない、は論点ではありません。

なぜ、こうなるのか?という疑問です。

 

収監に際し堀江氏が着用していたTシャツ。

「 GO TO JAIL」-刑務所に行けという文字。

併せて記載される企業名と粉飾金額。

長銀-31000億円

山一證券-2700億円

カネボウ-800億円

日興コーディアル證券-189億円

ヤオハン-128億円

ライブドア-53億円

 

堀江氏の言いたいことは、「なぜ俺だけが?」と言うことでしょう。

上記の中で、粉飾金額が最も-かつ圧倒的に低い。

なのに、実刑をくらったのは俺だけ-。

金額だけ見れば、その考えは合理的だと思います。

では、それ以外の違いはなんだったのか?

ふと疑問に思い、いつもの如く「ウィキペデェア」で検索しました。

(ヤオハンは途中で面倒になったので省略。内容に影響はナシ)

物凄く省略すると、以下のようなカンジです。

 

長銀(日本長期信用銀行)

1998年、業績悪化に伴い国有化。(要は事実上の倒産)

1999年、頭取他が逮捕

     -最終的には無罪。(途中では執行猶予付きの有罪)

 

山一證券

1997年、業績悪化に伴い自主廃業。(要は事実上の倒産)

1998年、社長他が逮捕

     -社長、執行猶予付きの有罪。

 

カネボウ

2005年、東京・大阪証券取引所で上場廃止決定。(債務超過による上場基準抵触)

同年  、社長他逮捕

     -執行猶予付きの有罪。

2007年、解散。(現在のカネボウ化粧品は花王の完全子会社)

 

日興コーディアル証券

2006年、東証監理ポストへ。(粉飾決算の発覚)

證券取引等監視委員会による5億円の追徴金勧告。

 

ライブドア

2005年、東京地検特捜部からの情報が一部マスコミに漏れる。

2006年1月、社長他が逮捕

2006年4月、上場廃止。

2011年6月、堀江氏収監。

 

こうやって見ると、確かに堀江氏収監は異様に思える。

まず、役員が起訴された会社は、ライブドア以外は倒産、解散等している。

 

別の言い方をすれば、ライブドア以外は倒産等があった後に役員逮捕となるが、

ライブドアは、経営的に好調であった時に役員が逮捕され、

そのために業績悪化、株価下落などに陥った。

 

もう少し、分かりやすく書いてみよう。

 

長銀、山一、カネボウは、業績が悪化しているにも関わらず、粉飾決算で誤魔化した。

その結果、破綻してしまった。

多くの関係者に迷惑をかけた。

違法性が確認され、起訴された。

無罪になった者もいれば、有罪になった者もいた。

ただし、有罪になっても執行猶予がついた。

 

ライブドアは、株価・業績が好調であった。(少なくとも表面的には)

粉飾決算が疑われ、社長他の役員が逮捕された。

-ライブドアが、いまだに倒産していない。

 

粉飾決算-有価証券報告書の虚偽記載が問われるのであれば、

既に倒産させてしまった経営者に執行猶予がついて、

いまだに倒産していない会社の元経営者が実刑判決とは・・・?

やはり今一つ理解出来兼ねます。

 

ライブドアは、どちらかと言えば追徴金勧告を受けただけの、

日興に近いものと考えられるのでは?・・・と単純に思ってしまうのですが・・・。

 

 

別の考え方をすると・・・。

業績悪化で倒産してしまうのを防ぐために粉飾決算したのであれば、

それは従業員の生活、取引先の今後の経営、株主の損失、

それらを鑑みて、なんとか生き残ろうと足搔いた結果である。

だから、同情できるところもあるので執行猶予をつけよう。

でも、例え業績が好調で、財務内容的にも特に問題が無い会社であっても、

国政選挙に立候補するだの、プロ野球球団のオーナーになるだの、

フジTVを買収しようだの、ソニーを買収しようだの、

戯けたことをぬかす経営者は、一片の同情の余地はない。

例え倒産してなかろうが、粉飾したからには実刑を喰らわしてやる。

・・・そういうことなのだろうか?

 

堀江氏は、この点について収監間際まで問うています。

しかしながらマスコミは、その奇抜さのみを取り上げます。

単に金額の問題ではなく、成長率の粉飾が大きかったから、

あるいは自己株式の処理に違法性があったから、

などがネット上では言われています。

マスコミは、どうせ報道するならモヒカンを云々言うよりも、

もっと報道しなければならない大切なことがあると思います・・・。

 

                                おしまい。

 

 

  

理事会と評議員会の同時開催

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こんにちは、二見事務所の山下です。

久しぶりのエントリーです。一か月以上、書いてませんでしたね。

5月末申告や公益法人の監査、総会等の立会などで、5月は怒涛の一か月でした。

高松商工会議所での簿記講師もありましたし。

後回しになってしまった仕事は、まだ残っています。

お客様にご迷惑をかけないよう、粛々と処理していくつもりです。

 

先日、公益法人のお客様より質問がありました。

「理事会と評議員会の同時開催は、可能だろうか?」

決算にかかる定時の理事会と評議員会です。

同時開催がダメという定めは、目にしたことがありません。

しかしながら確信はないので、回答を保留して調べます。

 

web検索すると、明快な回答がありました。

公益法人協会の「フォーラム(会議室)形式掲示板」に、載っていました。

さすがは公益法人協会。

困ったときの公益法人協会。

見事です。

 

結論を言うと、「物理的に不可能」ということになります。

法人法129条で、定時評議員会開催の2週間前までに、

計算書類(財務諸表)を事務所に備え置く旨の規定があります。

当然、理事会承認済みの計算書類です。

つまり評議員会の2週間前には、理事会での承認が必要になるので、

同時開催は不可能になります。

 

また125条で、定時評議員会の招集通知には、

承認済みの計算書類を同封する旨の規定があります。

これも、上記と同様に同時開催を物理的に不可能としています。

 もっと詳細を知りたい方は、下記のアドレスを参照してください。

http://www.kohokyo.or.jp/kohokyo-forum/viewtopic.php?f=21&t=278

 

少しは詳しくなったつもりでいましたが、まだまだ知らないことは沢山あるようです。

これからも精進が必要です。

実は私、次に名刺を注文するときには、

「公益法人コンサルタント」という肩書を付けようと画策しております。

資格としては、そんなものは存在しません。

『名乗ったモノ勝ち』です。

「国際ネギリスト」だって、そうですよね。

「ネギリスト」はまだしも、「国際」って。

 

話が逸れましたが、そんな肩書を付けようと思っていますので、

名前負けならず肩書負けしないよう、日々研鑽に励みたいと思います。

 

                                  おしまい。

 

 

 

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